妊娠と薬やアルコール
妊娠中に服用した薬が新生児に影響を及ぼすことがある。
特にサリドマイド事件は有名。
サリドマイド事件は、くせにならない睡眠剤として開発されたイソミンという睡眠薬が、つわりの治療に使われ、これを服用した妊婦からはアザラシ肢障など、手足に奇形を持つ子供が誕生した事件のこと、1962年から全国に広がった。
これをきっかけに「妊娠中の薬の服用は胎児の奇形を起こすことがある」ということが広く知れ渡った。
ただし、現在一般的に入手できる市販薬は102回服用しても問題になることはないとされている。
アルコール
長期にわたって仕事をしてきた女性の中には、飲酒や喫煙が習慣化している人も少なくない。
特にアルコールの摂取については、妊婦が多量に飲むと、胎児性アルコール症候群になる可能性が高いといわれている。
妊娠中に多量のアルコールをとった母親からは、身体や精神に発達の遅れた子供が生まれる確率が高くなる。
これが胎児性アルコール症候群である。
ただ、ワインやビールをグラス一杯ほどでたしなむくらいならそれほど心配する必要はない。
貧血
胎児は活発な新陳代謝を繰り返し成長し、大量の酸素を必要とする。
血中の酸素を運ぶ役目をしているのが鉄分である。
妊娠中には普段の6割07割増で鉄分が必要となり、効率よく鉄分を摂取しないと貧血になりやすいのである。
レバーやひじき、納豆などの鉄分の豊富な食品や、鉄分吸収を助けてくれる「ビタミンC」を含む柑橘系やイチゴ、キウイを積極的にとることで解決できる。
歯
妊娠によって歯が弱くなったり、歯肉が腫れやすくなることがある。
これは新生児にカルシウムをとられるわけではなく、ホルモンの分泌による影響で、唾液の成分が酸性にかわるためである。
酸性の唾液は虫歯菌や歯周病菌が好むとされているため、前途の症状が現れやすくなる。
歯を丈夫にしたりよい歯並びにするためには妊娠初期からスタートする方がよい。